ことばを超えて通いあう


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    九州大学大学院人間環境学研究院
    臨床心理学講座内



ご挨拶

 この度、平成28年3月26日・27日に第17回日本サイコセラピー学会を九州大学医学部百年講堂にて開催することとなりました。福岡での開催は、西村良二・福岡大学教授が主催された第15回大会に続いて2回目になります。
 本学会は、International Federation for Psychotherapy (IFP)の呼びかけに応じて発足したとうかがっています。このサイコセラピーに関する国際組織の前身は、1930年代にドイツで設立されたInternational General Medical Society for Psychotherapy (IGMSP)ですが、IGMSPと九州大学には遠い昔に或るつながりがあります。1938年、後に九州大学医学部精神科教授をつとめる中脩三(当時、台北帝国大学教授)が、IGMSPの日本支部の設立を依頼されているのです。発端は、中が、同年、ヨーロッパ外遊中にデュッセルドルフで開催された学会で行った森田療法に関する講演でした。森田療法が海外で報告されたのは、その時が最初ですが、中の発表は予想外の好評を得たようです。あいにく、翌年、ヨーロッパに勃発した戦乱のために、中がIGMSPの依頼に応えることはできませんでした。こうした歴史秘話を振り返りますと、今般のサイコセラピー学会が九大の地で開催されることを、泉下の中も喜んでいるかもしれません。
 さて、第17回学会では、「ことばを超えて通いあう」という大会テーマで開催させていただきます。テーマを冠したシンポジウムでは、臨床動作法、音楽療法、森田療法、風景構成法など、非言語的技法を用いたサイコセラピーの諸相について意見を交換し、その可能性について議論を深めたいと考えます。また、昨今注目される子どもの愛着障害に焦点を当てたシンポジウムも企画しております。特別講演では、北山 修先生(九州大学名誉教授・白鴎大学副学長)にお話しいただきますし、また、田嶌誠一先生(九州大学大学院人間環境学研究院教授)にも、招待講演をお願いしております。
 3月下旬の福岡の町は、桜の蕾もほころびはじめ、美しい季節が始まります。食都の名に相応しい季節の食べものも楽しんでいただけると思います。多くの皆さまの参加をこころよりお待ち申し上げます。




第17回日本サイコセラピー学会大会長
黒木 俊秀