日本サイコセラピー学会 発足の歩み

近年、精神医学および心理学の臨床において、サイコセラピーは欠くことの出来ない重要な領域であります。その中で、多くの学会が独自の治療を行っておりますが、残念ながら相互の技法交流はあまりありませんでしたし、また、サイコセラピ―の水準を高める検定もなされてきませんでした。
 そのため、相互の長所を学び、学派を超えて症例ごとの最善のサイコセラピーを追求する場が必要だと考えていたところ、二つの、サイコセラピー学会の設立を加速するエピソードがありました。
 一つは、ユングが創始した学際的、国際的組織であるIFPInternational Federation for Psychotherapy)より日本の当学会作田勉事務局長に、日本における受け皿機関を作ってほしいとの呼びかけがありました。IFPは、世界における約40の各国、各地域、各技法のサイコセラピー学会を統合した機構であります。
 それをきっかけに、19996月に日本サイコセラピー研究会(JFP)を発足し、2001年より研究会から学会に発展し、日本サイコセラピー学会なりました。
 次に、『ヨーロッパサイコセラピー学会事務局長のProf.Pritz氏から作田勉事務局長に欧日共通のサイコセラピスト資格を目指そうとの提案がなされ、両者の間で契約が締結されました。そして、第4回大会でProf. Pritzが来日し、講演をされ、欧日共通サイコセラピスト資格(JCP)を日本の主要なサイコセラピストに第一回として自ら手渡されました。
 当学会では、十分なサイコセラピー教育を受け臨床経験を積んだ人々に、欧日共通サイコセラピスト資格を授与しています。現在、100名以上の方々が受けられました。また、研修制度も構築しつつあります。
 なお、初代理事長は大原健士郎先生、現理事長は牛島定信先生です。



 日本サイコセラピー学会大会歴史

開催日時

開催地・主会場

大会長

第1回

199912910

東京・野口英世記念会館

大原 健士郎

第2回

20001210

東京・野口英世記念会館

大原 健士郎

第3回

2001128

東京・東京国際大学
早稲田サテライト

詫摩 武俊

第4回

200312526

東京・慶應義塾大学北里講堂

斎藤 学

第5回

200412425

東京・慶應義塾大学北里講堂

ジーン・L・チン

第6回

200512930

東京・慶應義塾大学北里講堂

穂積 登

第7回

2006245

東京・東京女子大学

川野 雅資

第8回

200731718

東京・立教大学 池尻キャンパス

鍋田 恭孝

第9回

2008389

大阪・近畿大学会館 
多目的ホール

人見 一彦

第10回 2009328・29
東京女子医科大学 
臨床講堂T
石郷岡 純
第11回 2010年3月20・21日 奈良県立医科大学 厳橿会館 岸本 年史
第12回 2011年6月4・5日 帝京大学 臨床大講堂 南光 進一郎
第13回 2012年3月17・18日 大阪国際会議場 木下 利彦
第14回 2013年3月16・17日 東邦大学医療センター大森病院 水野 雅文
第15回 2014年3月15・16日 福岡大学病院 
福大メディカルホール
西村 良二